電子ブックの容量上限と分割の考え方|1冊1GBを超えたときの判断

電子ブックの容量上限と分割の考え方|1冊1GBを超えたときの判断

クライアントから預かったPDFが大きすぎて、電子ブックにアップロードできない——。ページ数の多いカタログや会社案内を扱う制作会社なら、一度はぶつかる壁です。この記事では、容量の上限をどう見て、超えたときに「圧縮するか・分割するか・そのまま出すか」をどう決めるかを整理します。

結論
– 1冊の上限は容量とページ数の2つ。無料は300MB/100ページ、有料は1GB/1,000ページ
– 超えたら、まずPDFの画像を圧縮して容量を下げる(ページを削るのは最後)
– 収まらないなら、号・巻・カテゴリの切れ目で複数冊に分ける(分割すると全文検索・目次は冊ごとに分かれる)
– 1冊のまま上限を超えたいときは制作代行(¥30,000〜)に出す

容量とページ数、どっちか一方でも超えたら「分けるか・出すか」の判断だよ!

この記事は、クライアントの電子ブックを制作・納品する制作会社の方に向けて書いています。容量・ページ数の上限の見方から、超えたときの圧縮・分割・制作代行の判断、そして分割した冊をZIPで納品するときの注意点までを、MEKURU(メクル)の仕様を例に整理します。数値は各サービスの公式サイト等の一次情報に基づきます。

まず、1冊の上限は「容量」と「ページ数」の2つで決まる

電子ブックの上限は、ファイルの重さ(容量)と枚数(ページ数)の2軸で決まります。どちらか一方でも超えると、その1冊にはアップロードできません。MEKURUの場合は次のとおりです。

プラン 1冊の容量 1冊のページ数 冊数
無料 300MBまで 100ページまで 1冊まで
買い切り(¥9,900/冊・税込) 1GBまで 1,000ページまで 1冊ごとに購入
月額スタンダード(¥3,850/月・税込) 1冊1GBまで 1冊1,000ページまで 冊数無制限・合計5,000ページまで
月額プレミアム(¥7,700/月・税込) 1冊1GBまで 1冊1,000ページまで 冊数無制限・合計10,000ページまで

ポイントは、有料(買い切り・月額)はどちらも「1冊あたり1GB・1,000ページ」で同じという点です。以前は買い切りが無料と同じ上限でしたが、現在は月額側と同条件に広がっています。「容量を増やしたいから月額」という選び方は不要で、1冊単位の重さ・枚数はプランを変えても変わりません。

月額で違うのは合計ページ数の上限です。スタンダードは全冊合わせて5,000ページ、プレミアムは10,000ページまで。号数の多いシリーズや複数クライアントのカタログをまとめて置くなら、この合計値が効いてきます。

容量が足りないとき、削るべきはページより先に「PDFの中身」

「1GBを超えた」=「すぐ分割」ではありません。カタログPDFが重くなる原因の多くは、印刷用に埋め込まれた高解像度の画像です。Web表示に必要な解像度まで下げれば、ページ数はそのままで容量だけを大きく減らせることがよくあります。

先に試すのは、ページを削ることではなく次の順です。

  1. 画像の解像度を下げる(印刷用の350dpi前後はWebでは過剰。表示に必要な範囲まで落とす)
  2. PDFの書き出し設定を「Web用/画面表示用」にする(InDesign・Illustratorなら書き出しプリセットで変わる)
  3. それでも収まらないなら、はじめて分割を検討する

ページ数の上限(1,000ページ)に引っかかっている場合は、圧縮では解決しません。ページ数はデータの重さと無関係だからです。「容量オーバー」なら圧縮、「ページオーバー」なら分割か制作代行、と切り分けて考えます。

ページを間引くと内容が欠けちゃう。まずは画像の解像度から下げてみてね

圧縮しても収まらないなら、「意味の切れ目」で分割する

圧縮でも上限に収まらない、あるいはページ数がそもそも1,000ページを超える——このときは1冊を複数冊に分けます。大事なのは、どこで切るかです。

分割は「ページ数で機械的に半分」ではなく、読者が迷わない切れ目で分けます。

  • 号・巻で分ける:Vol.1/Vol.2、上巻/下巻、2025年版/2026年版
  • カテゴリで分ける:製品カタログを「業務用」「家庭用」に、総合カタログを部門別に
  • 章の大きなまとまりで分ける:前編/後編

こうしておくと、1冊ずつが独立した成果物として意味を持ち、クライアントも「どのブックに何が載っているか」を説明しやすくなります。ページ番号の途中でぶつ切りにすると、読者は目当ての情報がどちらの冊子にあるか分からなくなります。

月額プランなら冊数は無制限なので、号別・カテゴリ別に並べても冊数の心配はいりません(合計ページ数の上限だけ確認)。買い切りの場合は1冊ごとに買い切り枠(¥9,900/冊)を購入するため、分割した冊数だけ費用がかかる点に注意します。

分割すると何が変わるか(先に知っておく)

分割は万能ではありません。1冊を複数に分けると、次の2つは冊をまたげなくなります。

  • 全文検索:検索はその1冊の中だけ。Vol.1を開いてもVol.2の中身は検索されません
  • 目次(しおり):PDFに埋め込んだしおりから自動生成されるため、これも1冊単位です

つまり「1冊を10冊に細かく割る」と、読者は毎回どの冊子を開くか選ぶ手間が増えます。分割は必要最小限に——圧縮で1〜2冊に収まるなら、無理に細分化しないほうが読者には親切です。ここが、容量の都合と読者の使い勝手のバランスを取る勘所になります。

分割した冊をZIPで納品するなら、使えなくなる機能に注意

分割した冊をZIP(HTML一式)で書き出して、クライアントのサーバーに設置して納品する——制作会社ではよくある納品形態です。この「設置版」では、MEKURU上で公開したときに使える次の2つの機能が使えません。どちらもサーバー側の処理が必要で、MEKURU上での公開時にのみ動作するためです。

  • 閲覧パスワード(パスワードをかけた限定公開)
  • 公開/非公開の切り替え

代わりに、閲覧制限は設置先サーバーのBasic認証で、公開/非公開は設置ファイルの出し入れ(置く・外す)で管理します。なお、リード獲得(閲覧前のフォーム)とアクセス解析(GA4)は、ブック設定に送信先URLや測定IDを登録しておけばZIP設置版でも使えます(受け取り先の作り方は製品マニュアルの「リード獲得」のページにまとめています)。

分割して複数のZIPを納品するときは、冊ごとにフォルダを分けて設置すると管理が楽です。パスワードや公開切り替えが要件に含まれる案件は、ZIP設置ではなくMEKURU上での公開を選ぶか、Basic認証など設置先サーバー側の仕組みで代替できるかを、納品方法を決める前に確認しておきましょう。

1冊のまま出したい・上限を大きく超えるときは制作代行

「シリーズものだが1冊にまとめたい」「元PDFが1GB・1,000ページを大きく超える」——分割したくない、あるいは分割でも収まらないケースでは、制作代行(1冊¥30,000〜・税込)という手段があります。1冊1,000ページ・1GBを超えるPDFのほか、社内に作る人手がないときにも依頼できます。

判断の目安はこうです。

  • 圧縮で1GB以内に収まる → 自分でアップロード
  • 号・巻の切れ目で自然に分けられる → 複数冊に分割して自分で対応
  • 分割したくない/上限を大きく超える → 制作代行に相談
「分けるか・出すか」で迷ったら、まず圧縮。それでもダメなら分割か制作代行だよ

よくある質問

Q. 買い切りで作った電子ブックは、容量が大きくてもずっと公開されますか?
A. 買い切りの公開期間は1年間です(延長は¥3,300/年・税込)。容量とは別に期間の管理が必要です。ZIPで書き出したデータは手元に残るので、公開が切れてもファイル自体は保管できます。

Q. 分割した2冊を、1つの目次から行き来させられますか?
A. 目次(しおり)は1冊ごとに自動生成されるため、冊をまたぐ目次は作れません。冊数が多くなるなら、置き場所のページ側で一覧リンクを用意するのが現実的です。

Q. ページ数が上限内なら、容量はいくら大きくても大丈夫ですか?
A. いいえ。容量とページ数は別々の上限です。無料は300MB、有料(買い切り・月額)は1冊1GBまでで、ページ数が少なくてもこの容量を超えるとアップロードできません。

Q. ZIPで納品した電子ブックにパスワードをかけられますか?
A. MEKURUの閲覧パスワードはMEKURU上で公開したときのみ動作するため、ZIP設置版では使えません。設置先サーバーのBasic認証で代替してください。パスワードが必須の案件は、MEKURU上での公開を選ぶ判断もあります。

容量オーバーかページオーバーかを見分けるだけで、次の一手が決まるよ。まずはそこから!

まとめ

電子ブックの容量は、「1冊の重さ(容量)」と「1冊の枚数(ページ数)」の2つの上限で決まります。MEKURUなら無料が300MB/100ページ、有料(買い切り・月額)が1冊1GB/1,000ページです。

超えたときの判断は、①まずPDFの画像を圧縮して容量を下げる → ②収まらなければ号・巻・カテゴリの切れ目で分割する → ③分割したくない/上限を大きく超えるなら制作代行、の順で考えると迷いません。分割すると全文検索と目次が冊ごとに分かれるので、割りすぎないのがコツです。ZIPで設置して納品する場合は、閲覧パスワードと公開/非公開切り替えが使えない点もあわせて押さえておきましょう。

まずは手元のPDFが「容量オーバー」なのか「ページオーバー」なのかを確認するところから始めてみてください。


出典:各サービスの公式サイト等の一次情報に基づく(MEKURU 公式サイト https://mekuru-pdf.com/ /2026年8月時点)。料金・仕様は改定される場合があるため、契約前に公式サイトで最新の値をご確認ください。

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