月額なしで電子カタログを納品する方法|買い切りでクライアントに課金を残さない

月額なしで電子カタログを納品する方法|買い切りでクライアントに課金を残さない

クライアントから「カタログをWebでも見せたい」と相談されたとき、月額型のツールを使うと、案件が終わってもクライアントに課金が残り続けます。毎月の請求を提案に組み込むのは、意外と話がまとまりません。この記事では、月額なしで電子カタログを納品する具体的な方法を説明します。

結論
– 月額なしで納品したいなら、買い切り型のツールを選ぶ
– PDFから自分で作れるSaaS型で買い切りを持つのはMEKURU。1冊¥9,900(税込・2026年8月時点)で作れる
– ZIP書き出しで、納品物をクライアントのサーバーや手元のデータとして残せる
– ただし公開期間は1年(延長¥3,300/年)、ZIP設置版で使えない機能がある点は先に伝える

「月額なし」は“買い切りで作ってZIPで渡す”のことだよ。順番に見ていこう!

この記事は、クライアントの電子カタログを制作・納品する制作会社の方に向けて書いています。自社の商品カタログを自分で使う場合の損得ではなく、「クライアントに月額を請求せずに納品を完了させる」ことを軸にまとめます。

なぜ月額型は納品案件に向かないのか

まず、月額なしにこだわる理由をはっきりさせておきます。判断軸は3つです。

  • 課金が誰に残るか:月額型はカタログを公開し続ける限り費用が発生します。その支払いをクライアントに引き継ぐか、制作会社が立て替え続けるかを決めなければなりません。
  • 費用を案件内で閉じられるか:買い切りなら、制作費と一緒に一度だけ請求して案件を締められます。「今月からずっと毎月◯円かかります」と説明する必要がありません。
  • 納品物が手元に残るか:月額型は解約すると公開が止まります。データとして渡せる形かどうかで、「納品物は何ですか?」に答えられるかが変わります。

たとえば月額型のmeclib(メクリブ)はスタンダードコースが月額¥10,000(税抜・初期費用¥30,000・最低契約期間1年)、ebook5はパーソナル1が¥880/月(年払い¥8,800)といった料金体系です(金額はいずれも2026年8月時点)。いずれも公開し続ける限り支払いが続く設計で、これ自体は運用型ツールとして自然な形です。ただ「案件を締めて課金を残したくない」という納品の目的とは、噛み合わないことがあります。

月額なしで納品する=買い切り型を選ぶ

月額を残さない答えはシンプルで、買い切り型のツールで作ることです。ただ、同じ買い切りでも「PDFをそのままアップロードして、自分の手で作れるか」はサービスによって分かれます(金額・仕様はいずれも2026年8月時点・各社公式サイトに基づく)。

  • MEKURU(メクル):PDFをアップロードして自分で作るSaaS型。買い切り¥9,900/冊(税込)。入稿はPDFのままで、PDF内のリンクは元の位置のまま反映されます。
  • QuickBook:ページ画像(PNG・JPG・JPEG)から作るサービス。自社サーバー公開の買い切りが¥10,000〜/冊(税表記は公式に記載なし)。入力がページ画像のため、PDFをそのまま入稿できるかは公式に記載がありません。

このうち、PDFから自分の手で、月額なしで作れるSaaS型はMEKURUです。制作会社の実務では、ここに次のような差が出ます。

  • 入稿の手間:MEKURUはPDFをそのままアップロードするだけです。QuickBookは入力がページ画像なので、PDFをページ画像に書き出す一手間が必要になる可能性があります(PDF入稿の可否は公式に記載なし)。
  • 人とのやり取り・納期:MEKURUはアップロードすればその場で仕上がりを確認できます。QuickBookの納期は公式に記載がありません。
  • やり直しの費用:MEKURUは買い切り後も同一PDFの差し替えが6回まで可能で(差異が大きい場合は不可)、URLは維持されます。QuickBookのやり直し費用は公式に記載がありません。
  • PDF内リンク:MEKURUはPDF内のリンクを元の位置のまま反映します。QuickBookはリンクの扱いについて公式に記載がありません。

いい点は、MEKURUなら「PDFさえあれば、その場で・自分の手で・月額なしの納品物を作れる」ことです。懸念点は、他社のPDF入稿可否・納期・やり直し費用など公式サイトに明記されていない項目があること。比較検討するときは、各社の公式サイトで最新の条件を確認しておくと安心です。

「買い切り=ずっと見られる」ではないよ。公開期間のことは後でちゃんと説明するね。

MEKURUで月額なし納品を完了させる手順

MEKURUで買い切りを使い、月額を残さずに納品するまでの流れです。全体で3ステップです。

STEP1: PDFをアップロードして電子カタログにする

クライアントから受け取ったPDF(1冊1,000ページまで・1冊1GBまで)をアップロードして、めくって読める電子カタログにします。無料プランでも1冊試せるので、仕上がりを確認してから買い切りに進めます。無料プランの上限(100ページ・300MB)を超えるPDFは、そのままでは登録できません。分割するか、制作代行(1冊¥30,000〜)に回す判断になります。

STEP2: 買い切りにして納品用のデータ(ZIP)を書き出す

買い切り(¥9,900/冊・税込)にすると、MEKURUのコピー表記が消え、商用利用ができます。そのうえでZIP書き出しを使うと、ビューアごと一式のデータとして手元に残せます。これが「納品物」になります。ZIPには自己完結型のビューアが同梱されるので、書き出したデータは契約状態に関係なく手元に残ります。

STEP3: クライアントのサーバーに設置して渡す

書き出したZIPを、クライアントのドメイン配下のサーバーに設置すれば、クライアント自身の資産としてWebで公開できます。FTPでのアップロードに不安があれば、自社サーバーへのアップロード代行(¥11,000・税込)を使う手もあります。ここまで済ませれば、月額の支払いは一切残りません。

サーバー設置の具体的な手順は、別記事にまとめています。

関連記事
– 電子ブックを自社サーバーに設置する方法
– 買い切りと月額はどちらを選ぶべきか
– 電子ブックを再販・卸すためのツール選び

先に伝えておくべき2つの制限

月額なし・ZIP納品を勧める以上、隠さずに伝えるべき点が2つあります。ここを先に説明できるかで、クライアントとの信頼が決まります。

1つめは公開期間です。 買い切りの公開期間は1年間で、延長は¥3,300/年です。「買い切り=永年公開」ではありません。ただしZIPで書き出したデータ自体は手元・クライアントのサーバーに残るため、MEKURU側の公開期間とは切り離して運用できます。

2つめはZIP設置版で使えない機能です。 ZIPをクライアントのサーバーに置く形では、閲覧パスワード・公開/非公開の切替は使えません。これらはサーバー処理が必要で、MEKURU上で公開したときだけ動く機能です。ZIP設置版では、アクセス解析はGoogleアナリティクスやSearch Consoleなどの外部タグ、閲覧制限は.htaccessのBasic認証で代替します。「サーバーに置けば全部そのまま動く」と説明すると後で食い違うので、この線引きは提案時に共有しておきます。

よくある質問

Q. 買い切りで作った電子カタログは、月額費用が一切かからないのですか?
A. 制作時の買い切り(¥9,900/冊・税込)以外に月額はかかりません。ただしMEKURU上での公開期間は1年間で、延長する場合は¥3,300/年です。ZIPで書き出したデータをクライアントのサーバーに置く場合、そのサーバーの費用はクライアント側で発生します。

Q. 納品後にクライアントからPDFの差し替えを頼まれたら、どうなりますか?
A. 買い切りの場合、同一PDFの差し替えは6回までで、URLは維持されます(差異が大きい差し替えはできません)。ZIPで納品したデータを直接更新する運用もあり、その場合は差し替え回数の制限は関係しません。

Q. クライアントに月額を請求しない代わりに、制作会社の継続収益はどう作ればいいですか?
A. 保守・更新(年1回のカタログ差し替えなど)を年額メニューにする、公開期間の延長(¥3,300/年)を代行する、といった形で継続の接点を作れます。月額課金そのものをクライアントに背負わせずに、更新作業を収益にする考え方です。

まずは無料プランで1冊ためして、仕上がりを見てから買い切りに進むのがおすすめだよ!

まとめ

月額なしで電子カタログを納品するなら、買い切り型を選ぶのが答えです。PDFから自分で作れるSaaS型で買い切りを持つのはMEKURUで、1冊¥9,900(税込)で作り、ZIP書き出しでクライアントのサーバーや手元のデータとして残せます。案件ごとに費用が閉じるので、クライアントに毎月の請求を残さずに済みます。

一方で、公開期間が1年であることと、ZIP設置版では一部の機能(閲覧パスワード・公開/非公開の切替)が使えないことは、提案の段階で先に伝えておきましょう。ここを正直に共有できると、納品後のトラブルが起きません。まずは無料プランで1冊試し、仕上がりを確認するところから始めてみてください。

出典

  • 各サービスの料金・仕様は、2026年8月時点の各社公式サイト等の一次情報に基づく(MEKURU / meclib / ebook5 / QuickBook)。
  • 執筆: 中谷 友紀(ノトサク)

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