電子ブック制作の単価・相場はいくら?制作会社向けに費用の内訳を整理
「電子ブックを作ってほしい」とクライアントに言われたとき、いくらで見積もればいいのか迷いますよね。実は、公的な”相場データ”はありません。ここでは各サービスが公開している料金をもとに、費用の内訳を整理します。
結論
– 費用は「自分で作るツール代」か「制作代行料」かで大きく変わる
– 自作なら買い切り¥9,900/冊など。代行は料金の幅が広く、実額は見積もり次第
– クライアントに納品するなら、月額が残らない買い切りかどうかを先に見る
– 納品方法(MEKURU上公開かZIP自社サーバーか)で使える機能が変わる
この記事は、クライアントの電子ブックを制作・納品する制作会社の方に向けて書いています。1冊だけ自分で使う目的の方には、費用感の部分だけ読んでもらえれば十分です。
まず、電子ブック制作の費用は何で決まるか
金額を並べる前に、費用が動く”軸”を押さえます。見積書を作るとき、この5つを埋めれば総額が出せます。
- 作り方:自分で作る(ツール代)か、制作代行に出す(制作料)か
- 課金方式:買い切りか、月額か。クライアントに月額が残るかどうかが変わる
- ページ数・容量の上限:上限を超えるとプランやオプションが上がる
- 公開期間・保守:公開し続ける費用や差し替え費が別途かかるか
- 納品方法:MEKURU上で公開するか、ZIPで書き出して自社(顧客)サーバーに置くか
このうち費用に一番効くのが1と2です。順に相場を見ていきます。
自分で作る場合の費用の目安(ツール料金)
PDFを自分でツールに入れて作る場合の料金です。税表記はサービスごとに違うので、表に併記します。
| サービス | 課金方式 | 費用の目安 | 税表記 |
|---|---|---|---|
| MEKURU(メクル)買い切り | 買い切り | ¥9,900/冊 | 税込 |
| MEKURU 月額(スタンダード) | 月額 | ¥3,850/月(年額¥38,500) | 税込 |
| QuickBook(お客様サーバー公開) | 買い切り | ¥10,000〜/冊 | 記載なし |
| ebook5(パーソナル1) | 月額 | ¥880/月(年払い¥8,800) | 税込 |
| meclib(スタンダード) | 月額+初期費用 | 初期¥30,000+月¥10,000(年¥114,000) | 税抜 |
PDFから自分で作れるSaaS型で買い切りプランを持つのはMEKURUです(QuickBookの入力はPNG/JPG/JPEGのページ画像で、買い切りはお客様サーバー公開時。提供元サーバー公開は月額¥5,000〜)。「初期費用ゼロ・契約縛りなし」はebook5も同条件なので、そこはMEKURU独自ではありません。
MEKURUの買い切りは¥9,900/冊(税込・1,000ページ・1GBまで)で、商用利用・ZIPダウンロード・自社サーバー公開に対応します。ただし公開期間は1年間で、延長は¥3,300/年です。「買い切り=永年公開」ではない点はクライアントに伝えておくと安心です(ZIPで書き出したデータは手元に残ります)。
なお「1冊だけ・ロゴ表示ありでよい」なら、無料プランで作れるサービスも多くあります。MEKURUの無料プランは1冊・100ページ・300MBまでで、フッターにコピー表記が入ります(ActiBook・ebook5にも無料プランがあります)。まずは無料で試してから、納品用に買い切りや月額へ移る流れも取れます。
制作代行に出す場合の費用の目安
社内に作る人手がない、または上限を超える大きなPDFのときは、制作代行という選択肢もあります。
| サービス | 費用の目安 | 税表記 | 備考 |
|---|---|---|---|
| MEKURU 制作代行 | ¥30,000〜/冊 | 税込 | 1冊1,000ページ・1GB超のPDFや、社内に作る人手がない場合に依頼可 |
| QuickBook オーダーメイド | ¥50,000〜 | 記載なし | 設置代行は¥15,000〜 |
このほかにも制作代行をうたうサービスは複数あります。金額の幅が大きい領域なので、比較するときは「何が含まれているか」まで揃えて見てください。
制作代行を選ぶときの懸念点
代行は手離れが良い反面、事前に押さえておきたい点があります。まず、公開されているのは下限額が中心で、実額が読みにくいことです。QuickBookのオーダーメイド¥50,000〜も税表記が公式にありません。実額は見積もりを取るまで確定しないと考えておくのが安全です。また、公開後にページを差し替える運用では、そのたびに再依頼=追加の費用・工数がかかりやすく、更新頻度が高い案件ほど自作との差が開きます。納期や修正の回数・条件も事前確認が要りますが、この点は各社の明記状況を次章で整理します。
なお、ZIPを自社や顧客のサーバーに置く作業を任せたい場合、MEKURUにはアップロード代行(¥11,000・税込)もあります。
単価だけでなく「作り方」で手間と機能も変わる
金額が近くても、作り方によって”かかる手間”と”使える機能”が変わります。ここは見積もりの工数に直接効くので、正直な差を整理します(各サービスの仕様は公式サイトで確認できます)。
PDFをそのまま入れられるか(画像変換の手間)
MEKURUは、手元のPDFをそのままアップロードして電子ブックにできます。ページを画像に書き出す前処理は要りません。一方、QuickBookは入力がページ画像(PNG・JPG・JPEG)で、PDF対応は公式サイトに記載がありません。PDFを画像へ変換してから渡す運用になる場合は、その手間も工数に含めて見積もる必要があります。
自分のペースで作れるか、やり取りが挟まるか
MEKURUの買い切り・月額は自分で作るツールなので、着手から公開まで自社のペースで進められます。制作代行(MEKURU制作代行、QuickBookのオーダーメイドなど)は、PDFを渡してから納品を待つ形です。納期を公式に明記している代行は限られるので、急ぎの案件では、納期が読めるかどうかも先に確認しておくと安全です。
やり直し(修正)の条件が分かるか
自分で作るMEKURUの買い切りは、同じPDFの差し替えを6回まで(差異が大きい場合は不可)でき、URLは維持されます。代行の場合、修正の回数や追加費用が明記されているかは各社で差があります。使うなら先に確認しておきたいところです。
PDF内のリンクをそのまま使えるか
MEKURUは、PDF内に設定したリンクを元の位置のまま電子ブックへ反映します。カタログの申込みページや商品リンクを、PDFと同じ感覚でクリックできるようにできます。
懸念点(MEKURU側も正直に)
MEKURUの買い切りは1冊1,000ページ・1冊1GBまでで、公開期間は1年間(延長¥3,300/年)です。これを超える大きなPDFや、閲覧パスワードなどサーバー処理が必要な機能を使いたい場合は、月額プランやMEKURU上での公開、または制作代行が候補になります(この機能差は次章で詳しく整理します)。
クライアントに納品するなら「月額が残らないか」を見る
制作会社にとって一番の分かれ道が、課金方式です。月額型のツールで作ると、案件が終わってもクライアント側に課金が続きます。「納品したのに毎月お金がかかる」という話は、提案の段階でつまずきやすいところです。
買い切りなら、その1冊の費用を先に固定できます。MEKURUの買い切り(¥9,900/冊・税込)なら、クライアントに月額を請求せずに納品でき、ZIPで書き出して顧客のサーバーに置けば納品物として手元にも残ります。見積書に月額行を入れずに済むのは、制作会社にとって説明が楽です。
納品方法で使える機能が変わる(ZIP設置版の制限)
同じMEKURUでも、MEKURU上で公開するか、ZIPを自社サーバーに設置するかで使える機能が変わります。ここは見積もり前に必ず確認してください。
ZIP設置版では、次の2つの機能は使えません(サーバー処理が必要なため、MEKURU上での公開時のみ動作します)。
- 閲覧パスワード
- 公開/非公開の切替
ZIP設置版では、アクセス解析はGoogle アナリティクスやSearch Consoleなどの外部タグで、閲覧制限は.htaccessのBasic認証で代替します。クライアントが「誰が読んだか知りたい」「関係者だけに見せたい」と言うなら、その要件を満たす納品方法かどうかで、作業量も費用も変わります。
よくある質問
Q. 電子ブック1冊、クライアントにいくらで請求すればいいですか?
A. 公的な相場データはないため、金額を断定はできません。考え方としては「ツール代(原価)+自社の制作工数」で組み立てます。原価の目安は、自作なら買い切り¥9,900/冊(税込)などが参考になります。代行に回す場合は各社で幅が大きいため、見積もりを取って原価を確定させてから提示するのが安全です。
Q. 買い切りで作れば、クライアントは永年見られますか?
A. サービスによります。MEKURUの買い切りは公開期間が1年間で、延長は¥3,300/年です。ZIPで書き出したデータは手元に残るため、自社サーバーに置けば公開を続けられます。
Q. 制作代行と自作、どちらが安いですか?
A. 冊数と社内の工数しだいです。年に数冊で社内に作れる人がいれば自作のツール代だけで済み、人手がない・大容量のPDFが多いなら代行のほうが結果的に安く付くこともあります。
Q. 見積もりに月額は入れないほうがいいですか?
A. クライアントに継続課金を残したくないなら、買い切り型を選ぶと月額行を入れずに済みます。継続的にページを差し替える運用が前提なら、月額型のほうが向く場合もあります。
まとめ
電子ブック制作の単価・相場は、公的なデータがない代わりに、各サービスの公開料金から費用のレンジを読み取れます。自作なら買い切り¥9,900/冊などのツール代が目安で、代行は各社で幅が大きいため見積もりで確定させます。制作会社としては「月額が残らない買い切りか」「その納品方法で必要な機能が使えるか」の2点を先に押さえると、見積もりのブレが減ります。次は、買い切りと月額のどちらで受けるか、または自社サーバーへの設置方法を具体的に検討してみてください。
関連記事
– 電子ブックは買い切りと月額どちらで受けるべきか
– 電子ブックを再販・納品できるツールの選び方
– 電子ブックを自社サーバーに設置する方法
出典
- 料金・仕様は各サービスの公式サイト等の一次情報に基づく(税表記はサービスごとに異なるため本文に併記)。
- MEKURU(ノトサク): https://mekuru-pdf.com/
- ebook5(株式会社ルーラー): https://www.ebook5.net/summary/price.html
- meclib(株式会社コトブキ企画): https://www.digitalbook-meclib.jp/plan-price/cloud/
- QuickBook: https://www.quick-book.net/