Acrobatの共有機能と電子ブックの違い|PDFを見せるならどっち

Acrobatの共有機能と電子ブックの違い|PDFを見せるならどっち

カタログやパンフレットのPDFを「Webでも見せたい」とき、まず思いつくのがAcrobatの共有機能です。一方で「電子ブックにしたほうがいい」という話も聞きます。この2つは何が違って、どちらを選べばいいのか。機能を並べる前に、判断の軸から整理します。

結論
– 文字をくっきり読ませたい・手元に置いてほしい資料は、PDFのまま渡すのが素直(Acrobatの共有で足りる)
– ビジュアルのいいカタログ・パンフを、良い印象で見せて広げたいなら電子ブックが向く
– 電子ブックはめくる動きや見開きで冊子のように魅せられ、全文検索やアクセス解析もつく
– 迷ったら無料で1冊だけ電子ブックにして、Acrobatの共有と見比べると早い

どっちが上とかじゃなくて、「何がしたいか」で分かれるんだね!

この記事は、カタログ・パンフレットのPDFをWebで見せたい、事業会社の販促担当の方に向けて書いています。

まず、何で選ぶか

Acrobatの共有と電子ブックのどちらがいいかは、機能を比べる前に「何がしたいか」でほぼ決まります。選ぶ前に、次の3つの軸で自分のケースを見てみてください。この軸が決まれば、答えは自然に出ます。

  • 目的は「渡す」か「魅せて広げる」か … 特定の相手にPDFを届けて確認してもらいたいだけなら共有で十分。不特定多数にブラウザ上で良い印象で見せたいなら電子ブック
  • 見た目・印象を大事にしたいか … 写真やデザインを活かしたカタログを、良いイメージで見せたいなら電子ブック。ページをめくる動きや見開き表示で、紙の冊子をめくるような体験になる
  • 読まれ方を知りたいか … 「どのページまで読まれたか」を追いたいなら電子ブック。渡して終わりでよいなら共有で足りる

Acrobatの共有は「特定の相手に資料を渡す・やり取りする」ための道具、電子ブックは「読み手に良い印象で見せる・反応を見る」ための道具、と考えると分かりやすいです。以下はこの3軸を、場面ごとに詳しく見ていきます。

Acrobatの共有が向いている場面

まずは共有で十分なケースからです。Acrobatの共有機能は、手元のPDFに閲覧用のリンクを作り、相手に送って見てもらう仕組みです。相手はブラウザやAcrobat上でそのPDFをそのまま開き、必要ならコメントを書き込んで返せます。

  • 取引先や社内に、PDFをそのまま渡したいとき。見積書や編集用の元データなど、「ファイルとして手元に置いてほしい」ものは共有リンクのほうがシンプルです
  • 文字をくっきり読ませたい・じっくり読ませたいとき。PDFは文字がシャープで、細部まで正確に読ませるのに向きます。印刷して使う資料も、A4のPDFのまま渡すほうが素直です
  • PDFにコメントをもらって修正のやり取りをしたいとき。「ここを直して」といった1対1・少人数のレビューは、共有機能が得意とするところです

「見せて広げる」より「渡す・受け渡す」が主目的なら、わざわざ電子ブックにする必要はありません。

写真がきれいなカタログこそ、めくって見せると印象がぐっと変わるかも…?

電子ブックが向いている場面

一方、次のようなときは電子ブックのほうが力を発揮します。電子ブック(デジタルブック)とは、PDFをそのまま、ブラウザ上でページをめくって読める形にしたものです。ここではMEKURU(メクル)を例に、Acrobatの共有との違いを挙げます。

  • ビジュアルのいいカタログ・パンフを、良い印象で見せたいとき。紙の冊子のように、ページをめくる動き(めくり音つき)で読み進められます。写真やデザインを大きく使った販促物を、世界観ごと魅力的に見せたいときに相性が良い形です
  • 見開きで冊子のように魅せたいとき。パソコンでは見開き2ページ、スマホなど狭い画面では自動で1ページずつの表示に切り替わり、どの端末でも冊子をめくるような見え方になります
  • どこまで読まれたかを知りたいとき。Acrobatの共有でも「何人が閲覧したか」は確認できますが、どのページまで読まれたかまでは分かりません。電子ブックなら閲覧数・デバイス・流入元・ページ到達を見るアクセス解析が使えます
  • QRコードや埋め込みで広く配りたいとき。公開URLをそのまま渡すほか、QRコードや、自社サイトへのiframe埋め込みで見せられます。印刷したチラシにQRを載せてWeb版へ誘導する、といった使い方ができます

なお、電子ブックの全文検索は、PDF内の文字から検索用のデータを作るため、読み手が型番やキーワードで本文を探せます(文字情報のない画像だけのPDFでは検索は働きません)。MEKURUの場合、アクセス解析は公開すると標準で使えるので、追加の設定は必要ありません。

公開先を自社サイトのドメインにそろえたいときは、ZIP形式で書き出して自社サーバーに置くこともできます(設置は自社の情報システム担当や制作会社に依頼する形が想定されます)。ただしZIPで設置する形(ZIP設置版)では、閲覧パスワード(ページを開く前のパスワード保護)と、公開/非公開の切り替え(管理画面のスイッチでの切替)の2つは使えません。どちらもサーバー処理が必要な機能で、MEKURU上で公開したときだけ動くためです。設置の手順や、パスワード・公開状態をどう代替するかは自社サーバー設置の記事にゆずり、この記事では選び方に絞ります。

軸ごとに比べる

3つの軸で並べると、違いがはっきりします。

軸 Acrobatの共有 電子ブック(MEKURUの例)
主な目的 特定の相手に渡す・やり取りする ブラウザで良い印象で見せる
見た目・印象 文字はくっきり。ただしA4のまま(スマホは拡大が必要) めくる動き・見開きで冊子のように魅せられる
読まれ方の把握 閲覧した人数は分かるが、ページ単位では分からない アクセス解析で到達ページまで分かる
差し替え 更新版を見せるのに再送が必要になる場合がある(環境・設定による) 差し替えてもURLは維持
向く配り方 1対1・少人数の受け渡し URL・QR・埋め込みで不特定多数へ

※ Acrobatの共有では、同じ共有リンクのまま中身を差し替えられるかは相手の環境や設定によって異なります。更新版を見せるには、新しく発行されたリンクを配り直すか、単一ファイルではなく共有フォルダを渡す形が案内される場合があります(Adobe公式ヘルプ・公式コミュニティに基づく)。
※ MEKURUの料金・仕様は公式サイト( https://mekuru-pdf.com/ )に基づく。差し替え回数はサブスクなら無制限、買い切りは同一PDFで6回まで。

MEKURUの無料プランは¥0・1冊まで・100ページまで・1ファイル300MBまでで、まず1冊ためせます。もっと本格的に使うなら買い切り¥9,900/冊(1冊1,000ページ・1GBまで・商用利用OK)もあります。買い切りの場合、MEKURU上での公開期間は1年間です(延長は¥3,300/年)。「一度買えば永久公開」ではありませんが、ZIP形式で書き出したデータは手元に残ります。

ケース別のおすすめ

  • 見積書や元データを渡すだけ → Acrobatの共有でOK。電子ブックにする必要はありません
  • PDFにコメントをもらって修正のやり取りをする → Acrobatの共有が向きます
  • 写真やデザインのいいカタログを、良い印象で魅せたい → 電子ブックが向きます
  • 配ったあとの反応(何ページまで読まれたか)を知りたい → 電子ブックのアクセス解析が役立ちます
  • 迷っている → 無料で1冊だけ電子ブックにして、Acrobatの共有と実際に見比べるのが確実です。読み手として気持ちよく読めるかは、触ると一発で分かります

よくある質問

Q. Acrobatの共有リンクでも十分では?と思うのですが、電子ブックにする意味はありますか?
A. 特定の相手に資料を渡すだけなら共有リンクで十分です。写真やデザインを活かしたカタログを良い印象で見せたい・大勢に配りたい・誰がどこまで読んだか知りたい、という段階になると電子ブックの方が向きます。

Q. 電子ブックにするには専用ソフトが必要ですか?
A. 必要ありません。手持ちのPDFをアップロードするだけで作れます。MEKURUの無料プランなら¥0で1冊(100ページまで)ためせます。

Q. あとから中身を差し替えたくなったらどうなりますか?
A. MEKURUは公開URLを保ったままPDFを差し替えられます(サブスクは無制限、買い切りは同一PDFで6回まで)。配布済みのURLやQRを作り直さずに更新できます。

迷ったら、まず無料で1冊だけ電子ブックにして、Acrobatの共有と見比べてみてね!

まとめ

Acrobatの共有と電子ブックは、どちらが上ということではなく、目的が違う道具です。文字をくっきり読ませたい・特定の相手にPDFを渡すだけならAcrobatの共有で十分。ビジュアルのいいカタログを大勢に良い印象で見せたい・反応を知りたい、という段階になったら電子ブックが向きます。

正解をひとつに決める必要はありません。判断に迷ったら、無料で1冊だけ電子ブックにして、いつものAcrobatの共有と見比べてから決めれば失敗しません。

関連記事
– 電子ブックとは?PDFとの違いをやさしく解説
– Webカタログの作り方
– 電子ブック作成ツールを比較する
– 自社サイト・自社サーバーに電子ブックを設置する方法

出典

  • MEKURUの料金・仕様は各サービスの公式サイト等の一次情報に基づく(MEKURU: https://mekuru-pdf.com/ )
  • Acrobatの共有機能(共有リンクの発行・閲覧状況の確認)はAdobe公式ヘルプに基づく( https://helpx.adobe.com/acrobat/web/share-review-and-export/share-documents/manage-shared-documents.html )
  • 共有リンクを保ったままの差し替え可否については、Adobe公式コミュニティでの案内も参照( https://community.adobe.com/t5/adobe-acrobat-online-discussions/how-do-i-update-or-change-a-pdf-in-the-document-cloud-without-having-to-create-a-new-shared-link/td-p/10236670 )

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