電子カタログ制作の契約で決めておくこと|制作会社が先に握る5項目
クライアントから「カタログを電子カタログにしたい」と相談されたとき、見積の前に決めておきたいのが契約の条件です。ここが曖昧なまま進めると、「毎年いくらかかるの?」「データはもらえるの?」「あの機能は?」が納品後に噴き出します。この記事では、あとで揉めないために先に握っておく項目を整理します。
結論
– まず「公開方法」を決める。MEKURU上で公開するか、ZIPで書き出して自社/顧客サーバーに置くかで使える機能が変わる
– 費用の持ち方を握る。買い切りなら案件ごとに費用が閉じ、月額はクライアントに課金が残る
– 公開期間と更新ルールを契約に書く。誰がいつ差し替え、何年公開を維持するか
– 納品物とデータの扱いを明記する。ZIPで書き出せばデータが手元に残る
– 使えない機能を先に伝える。ZIP設置版で動かない機能は契約前に共有する
この記事は、クライアントの電子カタログを制作・納品する制作会社の方に向けて書いています。自社のカタログを1冊だけ作りたい事業会社の方は、金額の一部が自社利用の話に読み替えになる点だけご了承ください。数値は各サービスの公式サイト等の一次情報に基づいています。
① 公開方法を先に決める(ここで使える機能が変わる)
契約でいちばん最初に決めるのは、電子カタログをどこで公開するかです。ここが後回しになると、使える機能の前提がずれて見積を組み直すことになります。
電子カタログ作成ツールMEKURU(メクル)を例にすると、公開方法は大きく2通りです。
- MEKURU上で公開する:URLは mekuru-pdf.com 配下(スラッグは自由設定)になります。独自ドメインには対応していません。
- ZIPで書き出して自社/顧客サーバーに置く:クライアントのドメイン配下に設置できます。制作物として手元に残せます。
「クライアントのドメイン配下で見せたい」という要望が最初からあるなら、ZIP書き出し+自社サーバー設置を前提に契約を組みます。逆に、後述する閲覧パスワードを使いたいなら、MEKURU上で公開する前提になります。この分岐を契約前に決めておくのが、いちばん効きます。
内蔵の設置手順まで詰めると長くなるので、公開方法の全体像は電子カタログとは?仕組みと作り方で先に押さえておくと判断が早くなります。
② 費用の持ち方を握る(買い切りか月額か)
次に決めるのが、費用を誰がどう持つかです。ここが電子カタログの契約でいちばん揉めやすいところです。月額ツールで作ると、案件が終わってもクライアントに課金が残り、その請求を毎年調整し続けることになります。
MEKURUの料金で持ち方を比べると、次のようになります。
| 持ち方 | MEKURUの料金(税込) | 契約での書きやすさ |
|---|---|---|
| 買い切り | 1冊¥9,900 | 案件ごとに費用が閉じる。1冊単位で原価を固定できる |
| 月額(スタンダード) | 月額¥3,850/年額¥38,500 | 冊数無制限だが、公開を続ける限り課金が残る |
買い切りは1冊¥9,900で、1冊1,000ページまで・1冊1GBまで・提供元のコピー表記なし・商用利用OK・ZIPダウンロード対応・自社サーバー公開OKです。案件ごとに費用が閉じるので、「電子カタログ化費用=¥9,900+自社の手間賃」という形で見積を組めます。
一方、複数冊を継続的に扱う代理店的な運用なら、冊数無制限の月額(スタンダード=月額¥3,850/年額¥38,500、合計5,000ページまで)が向くこともあります。どちらを土台にするかで、クライアントに提示する「翌年以降の費用」が変わるので、契約前に決めます。
③ 公開期間と更新ルールを契約に書く
「作って終わり」ではないのが電子カタログです。何年公開を維持し、誰がいつ更新するかを契約に書いておかないと、翌年の対応が宙に浮きます。
MEKURUの買い切りを例にすると、握っておく点は2つです。
- 公開期間:買い切りの公開期間は1年間です。MEKURU上で公開を続ける場合の延長は¥3,300/年です。「買い切り=永年公開」ではないので、翌年以降の維持をどちらが持つかを契約に書きます(ZIPで書き出した分はクライアントの手元に残ります)。
- 差し替え(更新):買い切りは同一PDFの差し替えが6回まででき、URLは維持されます。「年◯回までの内容更新は運用費に含む」と書けば範囲が明確になります。差異が大きい差し替えは再作成扱いになるため、その場合は別費用にします。
ここを口約束で流すと、翌年「無料で直してもらえると思っていた」というすれ違いになりがちです。回数と期間を数字で契約に落とすのがコツです。
④ 納品物とデータの扱いを明記する
「納品物は何ですか?」はクライアントから必ず出る質問です。契約書に納品物の定義を書いておきます。
- ZIPで書き出して渡す:自己完結ビューアが同梱されたデータとして納品できます。クライアントの手元に残るので、「制作物として納品した」と言えます。
- URLだけ渡す:MEKURU上で公開してURLを共有する形です。この場合、データそのものはクライアントの手元には残りません。
制作会社が納品物を求められる場面では、ZIP書き出しを前提にしておくと話が早いです。加えて、設置まで請け負うか(自社設置なら工数、外注ならMEKURUのアップロード代行¥11,000が原価の目安)、制作そのものを外注するか(社内に人手がなければ制作代行1冊¥30,000〜を仕入れに乗せる)も、この項目で決めておきます。
⑤ 使えない機能を先に伝える(信頼はここで決まる)
契約の最後に、その公開方法で使えない機能を先に共有します。これを後出しにすると、いちばん信頼を落とします。
ZIPで書き出して自社/顧客サーバーに設置する形では、次の機能は使えません(いずれもサーバー処理が必要なため、MEKURU上で公開したときのみ動作します)。
- 閲覧パスワード・公開/非公開の切替
ZIP版では、Googleアナリティクスなどの外部タグや、サーバー側のBasic認証で代替します。契約に「アクセス解析」や「閲覧制限」を含めるなら、どちらの公開方法かを先に決めておく必要があります。「できること」より先に「この方法だとできないこと」を渡すと、選定の信頼が取れます。ツールの候補選びから迷っている場合は、電子カタログ・電子ブック作成ツールおすすめ比較で先に絞っておくと、契約の前提も固めやすくなります。
よくある質問
Q. 買い切りで納品した電子カタログは、翌年以降も費用がかかりますか?
A. MEKURUの買い切りは公開期間が1年間です。MEKURU上で公開を続ける場合の延長は¥3,300/年です。ZIPで書き出した分はクライアントの手元に残ります。契約に「翌年以降の維持を誰が持つか」を書いておくと安心です。
Q. クライアントの独自ドメインで公開したいと言われました。契約でどう扱えばいいですか?
A. MEKURU上で公開した場合のURLは mekuru-pdf.com 配下で、独自ドメインには対応していません。クライアントのドメイン配下に置くなら、ZIPで書き出して自社/顧客サーバーに設置する前提で契約を組みます。
Q. 「アクセス解析つき」で契約したいのですが、注意点はありますか?
A. 内蔵アクセス分析はMEKURU上で公開したときのみ動作します。ZIPで書き出して自社サーバーに設置する場合は、Googleアナリティクスなどの外部タグで代替します。どちらの公開方法かを契約前に決めておきましょう。
まとめ
電子カタログ制作の契約は、①公開方法/②費用の持ち方/③公開期間と更新/④納品物とデータの扱い/⑤使えない機能の共有、の5項目を先に握ると、納品後のすれ違いが大きく減ります。とくに「買い切りで案件ごとに費用を閉じるか」「ZIPでデータを納品するか」は、翌年以降の費用と納品物の定義に直結するので、見積の前に決めておくのがおすすめです。
まずはMEKURUの無料プランで1冊(100ページ・300MBまで)作ってみて、ZIP書き出しや納品物の感触をつかんでから契約の条件に落とし込むと、話が具体的になります。
まずは納品物を体感する
MEKURUの無料プランで1冊作ってZIPを書き出すと、「クライアントに何を渡すか」が具体的につかめます。納品物が固まれば、契約の5項目も埋めやすくなります。
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出典:各サービスの料金・仕様は、各社の公式サイト等の一次情報に基づいています(MEKURU: https://mekuru-pdf.com/ )。