電子ブックのリンクが効かないときの確認手順|PDFのリンクが反映されない原因と直し方

電子ブックのリンクが効かないときの確認手順|PDFのリンクが反映されない原因と直し方

クライアントのPDFを電子ブックにして納品したあと、「目次を押しても飛ばない」「商品ページへのリンクがクリックできない」と言われることがあります。多くはツールの不具合ではなく、元にしたPDFのリンクの作り方が原因です。この記事では、リンクが効かないときに上から順にたどる確認手順を、原因の切り分けとあわせて説明します。

結論
– 反映されるのは、PDFにハイパーリンクとして設定したものだけ(外部URL・同じPDF内の別ページ、どちらも可)。テキストで打っただけのURLはクリックできない
– 一番多い原因は「印刷」からPDFを作っていること。リンクが1つ残らず消える(見た目では気づけない)
– 確認は①PDF上で本当にリンクになっているか →②印刷経由で作っていないか →③URLの種類 →④位置ずれ、の順にたどる
– 左の目次パネルはリンクとは別の仕組み。PDFの「しおり(ブックマーク)」から自動で作られるので、目次が出ない・目次から飛べないときは、リンクではなくしおりが入っているかを見る
– 直したら無料プランで1冊アップして、実際にクリックして確認する

「効かない」には原因がいくつかあるから、上から順番に切り分けていこう!

この記事は、クライアントのPDFを電子ブックにして納品する制作会社の方に向けて書いています。

まず「効かない」を3つに分けて考える

ひとことで「リンクが効かない」と言っても、実際の症状は次の3つに分かれます。どれなのかを先に見分けると、確認する場所が決まります。

  1. そもそもクリックできない(カーソルを乗せても反応しない)→ PDFにリンクが設定されていない可能性が高い
  2. どのリンクも一切反応しない→ 「印刷」からPDFを作っていて、リンクが全部消えている可能性が高い
  3. 目次パネル自体が出ない→ PDFに「しおり」が入っていない

MEKURU(メクル)は、PDFに設定したリンクを、元の位置のまま電子ブックに反映します(外部URLも、同じPDF内の別ページへ飛ぶ内部リンクも)。裏を返すと、反映されるかどうかは入稿するPDFの側でほぼ決まります。だから確認も、ツールの設定画面ではなくPDFを見るところから始めます。

STEP1: PDF上で本当にリンクになっているか確認する

最初に、書き出したPDFをAcrobatなどで開き、問題の箇所が本当にクリックできるリンクになっているかを確認します。

  • 何をするか:PDFをAcrobat(Adobe Reader可)で開き、リンクにしたい図版・文字の上にカーソルを乗せる。指マーク(ハンドカーソル)に変わり、クリックで飛べばリンクとして生きています
  • どこを見るか:カーソルが指マークに変わるか。Acrobat Proなら「リンクを追加」ツールでリンク領域の枠が表示されるか
  • 失敗しているとどうなるか:見た目はURLでも、テキストとして打ち込んだだけだとリンクになりません。この場合、電子ブックにしてもクリックできる領域が乗らないので、InDesignやAcrobatで改めてハイパーリンクを設定し直します

とくにスキャンしたPDF(画像だけのPDF)は、画面にURLの文字が写っていても、その文字は「絵」であってリンクではありません。紙の版下しか無い案件でリンクが効かないときは、まずここを疑ってください。

STEP2: 「印刷」からPDFを作っていないか確認する

リンクが1つも効かないときは、まずここを疑ってください。 相談で一番多い原因です。

「印刷」からPDFを作ると、リンクは1つ残らず消えます。 Microsoft Print to PDF、CubePDF、ブラウザの「印刷 → PDFに保存」などが該当します。厄介なのは、できたPDFが見た目には普通なことです。開いても崩れていないので、リンクが消えたことに気づけません。

  • 何をするか:そのPDFをどうやって書き出したか、制作元に確認する
  • どこを見るか:Acrobatで開き、リンクにしたい箇所を1つでもクリックしてみる。全部が反応しないなら印刷経由の可能性が高いです
  • どう直すか:元データから「エクスポート」または「名前を付けて保存 → PDF」で書き出し直します。InDesignなら書き出し設定で「ハイパーリンク」にチェック(既定でオフのことがあります)
「印刷」で作ったPDFはリンクが全滅しちゃうんだ。見た目じゃ分からないから要注意!

なお、同じPDF内の別ページへ飛ぶリンク(内部リンク)も反映されます。紙面の目次ページに「3ページ目へ飛ぶ」と設定してあれば、電子ブックでもそのままクリックで移動できます。設定のしかたはリンクと目次をPDFに入れるにソフト別でまとめています。

STEP3: URLの種類(スキーム)を確認する

外部リンクなのに反映されないときは、URLの種類を確認します。反映されるのは、次の4種類のURLを持つリンクです。

  • http / https … Webページ
  • mailto … メールアドレス(問い合わせメールのリンク)
  • tel … 電話番号のリンク

裏を返すと、これ以外の特殊なリンク(ファイルを開く、アプリを起動する、といったもの)は反映されません。問い合わせ先のメールや電話番号はmailto・telで設定しておけば、ビューア上でもタップで発信・メール作成ができます。

STEP4: リンクの位置ずれを確認する

「効くけれど、押しにくい」「隣の要素が反応する」ときは、リンク領域の位置ずれを疑います。リンクは、PDF上で設定した「四角い領域」ごと反映されます。図版を差し替えたのにリンク領域を動かし忘れると、領域だけが元の位置に残ります。

  • 何をするか:Acrobatの「リンクを追加」ツールでリンク領域の枠を表示し、対象の図版・ボタンにぴたりと重なっているか確認する
  • 失敗しているとどうなるか:領域がずれていると、狙った場所の外をクリックしないと反応しません。書き出し直す前に、PDF側で領域を合わせておきます

目次パネルが出ない・目次から飛べないとき

「リンク」ではなく「目次(章立て)から飛べない」ときは、原因が別です。MEKURUの目次パネルは、PDFに埋め込まれた「しおり(ブックマーク)」から自動で作られます。しおりが入っていないPDFでは、目次パネルそのものが出ません。

  • 章立てをいつでも開けるようにしたい → 紙面の目次ページのリンクとは別に、PDFにしおりを設定します。Wordなら「見出し1/2」スタイルを付けてPDF保存時に「ブックマークを作成」にチェック、InDesignなら書き出しの詳細設定で「しおり」にチェック、既存PDFならAcrobat Proの「しおり」パネルから後付けできます
  • しおりを付けたのに一部が目次に出ない → リンク先ページが設定されていないしおりは、目次に出ません。書き出したPDFをAcrobatで開き、各しおりが正しいページを指しているか確認してからアップロードします

目次・サムネイル・全文検索は、ビューアが標準で備えています。ただし全文検索は文字が生きているPDFが前提で、画像だけのPDF・スキャンPDFでは効きません。この関係はSTEP1のリンクの話と同じで、「画像になっている文字は、リンクにも検索にも使えない」と覚えておくと切り分けが速くなります。

直したら、実際にクリックして確認する

原因を直したら、書き出したPDFを電子ブックにして、自分の目でクリックして確かめます。リンクの位置ずれや貼り忘れは、開いてみないと気づきにくいものです。MEKURUの無料プランなら¥0で1冊試せるので、納品前の確認用にちょうど使えます。

  • 目次パネルを開き、各項目を押して正しい章へ飛ぶか
  • 外部リンクを貼った箇所を押して、正しいURLが開くか/紙面の目次から該当ページへ移動できるか
  • スマホ表示でも同じように押せるか(指で押しやすい大きさか)

自社サーバーに設置して納品する場合

MEKURUはZIP書き出しに対応していて、書き出したデータをクライアントのサーバーに設置して公開できます。外部リンクや、目次(しおり)・サムネイル・全文検索は、ZIP設置版でもそのまま使えます。 リンクまわりで挙動が変わることはありません。

一方で、閲覧パスワード・公開/非公開の切替は、MEKURU上で公開したときだけの機能で、ZIP設置版では動きません。閲覧を絞りたいときはサーバーのBasic認証で、公開/非公開は設置ファイルをサーバーに置く・下ろすことで代替します。リンクや目次とは別軸の話ですが、設置して納品する案件では先に押さえておくと、あとで「あの機能がない」と慌てずに済みます。

なお、案件で買い切りを使う場合、公開期間は1年間・延長は¥3,300/年です(ZIP書き出し分のデータは手元に残ります)。設置そのものの手順は関連記事で扱います。

①〜④としおりを試しても直らないときは

ここまでの確認(PDF上でリンクになっているか→印刷経由でないか→URLの種類→位置ずれ→しおり)をすべて試してもリンクが効かないときは、元のPDFのリンク構造そのものを作り直す必要があります。社内で対応する時間が取れない・原因が特定できないまま納品期日が迫っている、といったときは、PDFを渡せば電子ブックを作り直してもらえる制作代行(1冊¥30,000〜)があります。詳しい依頼方法はMEKURUの公式サイト(https://mekuru-pdf.com/)で確認してください。

よくある質問

Q. PDFに文字でURLを書けば、自動でリンクになりますか?
A. なりません。反映されるのは、PDFにハイパーリンクとして設定されたリンクだけです。テキストで打ち込んだだけのURLはクリックできる領域になりません。InDesignやAcrobatでURLのハイパーリンクを設定してから書き出してください。

Q. 目次ページに「3ページへ飛ぶ」リンクを貼ったのに飛びません。
A. 内部リンクも反映されるので、設定してあれば飛べます。飛ばない場合は、そのPDFを「印刷」から書き出していてリンクごと消えているか、そもそもリンクとして設定されていない可能性が高いです。あわせてPDFに「しおり(ブックマーク)」を設定しておくと、目次パネルからも移動できます。

Q. スキャンしたカタログのURLが押せません。
A. スキャンPDFは文字が画像になっているため、見た目がURLでもリンクにはなっていません。Acrobatなどで該当箇所にURLのハイパーリンクを付け直すか、リンクが必要な箇所だけ作り直したPDFに差し替えてください。

Q. 直したリンクは、どうやって確認すればいいですか?
A. 無料プランで1冊アップロードし、ビューアで実際にクリックして確かめるのが確実です。位置ずれや貼り忘れは、開いて押してみないと気づきにくいためです。

「クリックできる?→印刷で作ってない?→スキームは?→位置ずれは?」の順で見れば、原因はだいたい見つかるよ!

まとめ

電子ブックのリンクが効かないときは、次の順で切り分けます。

  1. PDF上で本当にリンクになっているか(テキスト打ち・スキャンPDFはリンクではない)
  2. 「印刷」からPDFを作っていないか(リンクが全部消える。エクスポートか「名前を付けて保存」で書き出す)
  3. URLの種類(反映されるのは http/https/mailto/tel)
  4. リンク領域の位置ずれ
  5. 目次から飛べないときは、PDFにしおりが入っているか

原因を直したら、無料プランで1冊アップロードして、目次とリンクを実際に押して確かめてください。リンクの設定手順はリンクと目次をPDFに入れるにソフト別でまとめています。クライアントのサーバーに設置して納品する流れは、関連記事で解説しています。

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出典:料金・仕様は各サービスの公式サイト等の一次情報に基づく(MEKURU: https://mekuru-pdf.com/ /2026-08時点)。PDFのリンク・しおりの設定に関する記述は各DTPソフトの一般的な仕様に基づく。

執筆:中谷 友紀(ノトサク)

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