印刷会社が電子ブックを内製して卸すには|原価と利益の考え方
紙の受注が落ちるなか、「デジタルもやりませんか」と言いたいのに社内に手段がない——。外注に回すと利益がほとんど残らず、続く売上にもなりません。この記事は、電子ブックを外注せず内製して、自社の商材としてクライアントに卸すための原価の見方と進め方をまとめます。
結論
– PDFから自作できる買い切り型なら、1冊¥9,900(税込)で原価が読める
– 有料プランはフッターのコピー表記が消え、自社の制作物として出せる
– ZIP書き出し+サーバー設置で「納品物」として渡せる。月額をクライアントに残さない
– ただしZIP設置版は閲覧パスワード・公開/非公開の切替が使えない。先に確認する
この記事は、紙の受注が落ちるなかで電子ブックを新しい商材にしたい印刷会社の営業・企画の方に向けて書いています。制作を代行してもらう話ではなく、自社で作って卸す前提で進めます。
なぜ「内製」だと利益が残るのか
電子ブックの制作をまるごと外注すると、外注費がそのまま原価になり、上乗せできる利益が薄くなります。内製に切り替えると、原価はツールの仕入れ値だけになります。ここを固定できると、販売価格をいくらにしても利益が読めるようになります。
そこで効いてくるのが「PDFから自分で作れるSaaS型で、買い切りプランを持つツール」です。MEKURU(メクル)はこのタイプで、手元のPDFをアップロードして自社で電子ブックに変換できます。買い切りなら1冊単位で原価が決まるので、案件ごとに費用を閉じられます。
なお、電子ブックを制作会社・印刷会社が新しい収益メニューとして販売することは認められています(契約縛りなく、クライアントの資産として長期運用できます)。
原価と利益をどう計算するか
MEKURUの料金は、印刷会社が内製で卸すときに使える範囲だと次のとおりです(各サービスの公式サイト等の一次情報に基づく/税込)。
| 使うもの | 金額 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 買い切り(1冊) | ¥9,900/冊 | 1,000ページまで・1冊1GBまで・コピー表記なし・商用利用OK・ZIP対応・自社サーバー公開OK |
| 公開期間の延長 | ¥3,300/年 | 買い切りの公開期間は1年間。延長すると継続 |
| 月額 スタンダード | 月額¥3,850/年額¥38,500 | 冊数無制限・合計5,000ページまで・1冊1,000ページまで・コピー表記なし |
| 制作代行 | 1冊¥30,000〜 | 社内に作る人手がない場合や、1,000ページ・1GB超のPDFを依頼できる |
| アップロード代行 | ¥11,000 | 自社サーバーへの設置を代行(FTPアップロードのみ) |
利益はシンプルに「クライアントへの販売価格 − 原価(¥9,900)」です。たとえば数冊単位で受注し、1冊あたりの原価を¥9,900に固定できれば、あとは制作工数と保守をどう値付けするかだけを考えればよくなります。
冊数が増えるなら月額も検討します。 年額¥38,500(スタンダード)は買い切りおよそ3冊分の金額で、合計5,000ページの範囲なら冊数は無制限です。年に4冊以上を継続して作るなら、1冊あたりの原価は買い切りより下がる計算になります。ただし月額は自社が払い続ける前提で、解約後は公開が停止します(ZIPでのバックアップが前提)。単発の納品案件は買い切り、量をこなす体制は月額、と使い分けるのがわかりやすい分け方です。
内製して卸すまでの流れ
大きくは4つの工程です。
- PDFを用意する:クライアントの紙面データ(100ページ・300MBまで)をPDFで書き出します。超える場合は分割するか、制作代行(1冊¥30,000〜)に回します。
- 自社で電子ブックに変換する:MEKURUにアップロードして変換します。有料プラン(買い切り・月額)なら、ビューア下部のコピー表記が消え、自社の制作物として出せます(MEKURUはもともと紙面に透かしを入れません)。
- 納品の形を決める:クライアントのサーバーに置くなら、ZIPで書き出して設置します。設置を巻き取れないときはアップロード代行(¥11,000)も使えます。
- 保守・更新の値付けをする:買い切りの公開期間は1年間、延長は¥3,300/年です。ここを保守メニューにすると、継続収益になります。
「買い切り=永年公開」ではない点だけ注意してください。公開期間は1年で、延長するか、ZIP書き出し分を手元の資産として持っておく形になります。
ZIP納品で使えなくなる機能(先に確認する)
クライアントのサーバーにZIPで設置する場合、閲覧パスワード・公開/非公開の切替は使えません。これらはサーバー処理が必要なため、MEKURU上で公開したときだけ動く機能です。
ZIP設置版で使えなくなるのは、閲覧パスワードと公開/非公開の切替の2つです。閲覧制限は.htaccessのBasic認証で代替可能です。「リード獲得までクライアントのサーバー上でやりたい」という要件がある案件も、ブック設定で送信先URLを登録すればZIP設置版で対応できます(設定手順は製品マニュアルの「リード獲得」のページを参照)。ここは提案の前に確認しておくと、後から食い違いません。
なお、MEKURU上で公開した場合のURLは mekuru-pdf.com 配下になります(独自ドメインには非対応)。ドメインまで自社・クライアント名義にしたいなら、ZIP書き出し+サーバー設置か、自社サイトのページへのiframe埋め込みで対応します。
よくある質問
Q. 印刷会社でも電子ブックを再販できますか?
A. できます。制作会社・印刷会社が新しい収益メニューとして販売でき、契約縛りなくクライアントの資産として長期運用できます。
Q. 買い切りで作った電子ブックはずっと公開できますか?
A. 公開期間は1年間です。延長は¥3,300/年でできます。ZIPで書き出した分は手元に残るので、資産としては持ち続けられます。
Q. 社内に電子ブックを作る人手がない場合はどうすればいいですか?
A. 制作代行が1冊¥30,000〜で使えます。自社サーバーへの設置も、アップロード代行(¥11,000)に任せられます。
Q. クライアントのサーバーに置いてMEKURUの名前を消せますか?
A. 有料プランならビューア下部のコピー表記は消えます。ZIP書き出しでクライアントのサーバーに設置すれば、URLのドメインもそのサーバーのものになります。
まとめ
印刷会社が電子ブックを内製して卸すなら、原価を1冊単位で固定できる買い切り型が扱いやすい選択です。1冊¥9,900を原価に、制作工数と保守を上乗せすれば利益が読めます。有料プランでコピー表記が消え、ZIP納品でクライアントの資産として渡せるので、月額をクライアントに残さずに済みます。ZIP設置版で使えなくなる機能だけ先に確認して、案件ごとに公開先(自社サーバーかMEKURU上か)を選んでください。
まずは無料プラン(1冊・100ページ・300MBまで/フッターにコピー表記あり)で変換の手触りを確かめ、卸せると判断したら買い切りに切り替えるのが、リスクの少ない始め方です。
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出典
- 料金・仕様は各サービスの公式サイト等の一次情報に基づく(MEKURU: https://mekuru-pdf.com/ /2026-08時点)
- 本文中の金額はすべて税込表記